いつの時代でも、英国ではオープンエアモータリングを楽しめる小型軽量のリーズナブルなスポーツカーがつくられてきた。
いつの時代にも愛される、
安価なオープン2シーター
代表的な最新作では、MG-F。往年の名門スポーツカーメーカーであるMGのブランドを復活させ、
小型軽量オープン2シーターをミッドシップ・スポーツカーに仕立てたところが現代流だ。
エンジンとトランスミッションという重量物を車体中央に搭載しているから、
ワインディングロ−ドでは軽快な身のこなしが、日独伊のライバルたちへのアドバンテージとなっている。
もうひとつ、MG-Fがすぐれて現代的なのは、乗り心地がよく、各操作系が軽いといった快適性が高いところだ。
AUSTIN HEAREY VERSION |
その往年のMGが、今でも生産されている。
そう聞くと混乱してしまうかもしれないが、すでに1974年に生産を終了したMGミジェットMk3が、
彼の地では再びつくられているのである
ボデーをつくっているのは、ブリティッシュ・モーター・ヘリテイジ・ボディ・シェルズ。
英国の白動車産業史に残る、歴史的な遺産を保存する組織のことで、
ミュージアムの運営、古いクルマや各種資料の収集、書籍やデータ集の編集や出版事業まで行っている。
そのレストア部門が、「ボディ・シェルズ」というわけだ。
ここでは、ミジエットMk3を生産していた工作機械と治具そのものを使って、新品ボディを一台ずつ手作りしている。
コレクションや展示用につくるのではなく、日常的にガンガン走って楽しむために、
ボディの隅々までの防錆処理やシーリングを施したウレタン焼き付け塗装など、当時よりも徹底した仕上げがなされているほどだ。
いいクルマは座った瞬間に、
訴えかけるものがある。
面白いスポーツカーというのは、走りだす前に、シートに座ってハンドルを握った瞬間からワクワクさせてくれるものだが、
ニューミジェットも例外ではない。
まず、着座位置が低いのが印象的だ。地面がとても近く感じる。
感じるだけでなく、着座位置が低いということは、それだけクルマの重心も低くなり、
ハンドルやシートから伝わってくる路面状況のインフォメーションも増えて、
スポーツドライビングをよりシュアなものにするのである。
キーを回す前に燃科ポンプを10秒ほど作動ざせるという、古いクルマの〃儀式〃を行なってエンジンを掛けて走りだす。
やはり、低い着座位置がスピード感を増している。低い速度でも、クルマを操っている感覚が直接伝わってくる。
このダイレクト感がニューミジェット(というか、昔のクルマすべて)の真骨頂で、運転することがそのままスポーツになる。
また、680kgという車両重量の軽さも大いに利いていて、実にキビキビ走る。
シェイプアップした肉体のサッカープレイヤーが右に左にドリブルを決めるように、ニューミジェットは軽快に走る。
純枠に運転だけを楽しむのであればニューミジェットに分がある。
だが、渋滞にまみれ、時には長距離の移動もこなして、
乗用車のようにスポーツカーを乗りこなそうとするならば、MG-Fの実用性の高さが勝る。
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